カミキリムシの餌は何がいい?飼育でわかった意外な好物と長生きさせるコツ
庭や公園で見かける、立派な触角と力強い顎が特徴のカミキリムシ。「格好いいから飼ってみたい!」と思っても、いざ飼育しようとすると「何を食べるのかよくわからない」と悩む方は多いものです。実は、カミキリムシは種類によって食性が異なり、餌選びには少しコツが必要です。
今回は、カミキリムシの基本的な餌から、実際にいろいろ試して見つけた「超お気に入り」の食べ物、そして元気に育てるための具体的な対策を詳しく解説します。
カミキリムシの基本的な主食とは?
野生のカミキリムシは、種類ごとに特定の植物を好んで食べます。まずは、一般的に知られている主な餌を確認しておきましょう。
1. 樹皮や葉(生木)
多くのカミキリムシは、特定の樹木の樹皮や葉を噛み切って食べます。
ゴマダラカミキリ: ミカン、イチジク、ヤナギ、クリなどの樹皮。
キボシカミキリ: イチジクやクワの葉や樹皮。
シロスジカミキリ: クリやクヌギの樹皮。
もし捕まえた場所の近くに特定の木があれば、その枝や葉を一緒に入れてあげるのが最も確実です。
2. 樹液
カブトムシやクワガタと同様に、クヌギやコナラから出る樹液を舐める種類もいます。飼育下では、市販の「昆虫ゼリー」がこの樹液の代用として非常に優秀です。
色々試して発見!カミキリムシが喜ぶ「意外な好物」
「木の枝だけではあまり食べてくれない」「もっと元気に動いてほしい」と思い、様々な食べ物を試してみた結果、カミキリムシが猛烈な勢いで食いつく「超お気に入り」を発見しました。
昆虫ゼリー(高タンパク・高糖度タイプ)
最も手軽で、かつ食いつきが良いのが昆虫ゼリーです。特に、プロゼリーなどの高タンパクなものは体力を維持しやすく、長生きにつながります。カミキリムシの鋭い顎でゼリーを削り取るように食べる姿は、見ていて飽きません。
糖度の高い「果物」
自然界の樹液に近い甘みを持つ果物は、カミキリムシにとってご馳走です。
リンゴ: 適度な硬さと甘みがあり、非常に好みます。薄くスライスして与えると、顎でしっかり噛んで食べてくれます。
バナナ: 香りが強く、食いつきは抜群です。ただし、腐敗しやすくケース内が汚れやすいため、毎日取り替える必要があります。
梨(ナシ): 水分補給も同時にできるため、夏場の乾燥対策にも有効です。
水分補給を忘れずに
意外と見落としがちなのが「水」です。カミキリムシは喉が渇きます。霧吹きでケースの壁面に水滴をつけてあげたり、脱脂綿に水を含ませて置いておくと、一生懸命に水を飲む様子が観察できます。
カミキリムシを飼育する際の注意点と対策
カミキリムシを元気に長生きさせるためには、食事以外にもいくつか注意すべきポイントがあります。
顎の力に注意
カミキリムシの顎は非常に強力です。プラスチック製の飼育ケースをかじって穴を開けてしまうこともあるため、厚みのあるケースを選ぶか、金網などで補強された蓋を使用することをおすすめします。また、不用意に触ると指を噛まれて怪我をすることもあるため、取り扱いには注意しましょう。
足場を整える
カミキリムシは木を登るのが得意な昆虫です。ケースの中には必ず登り木や枯れ葉を入れて、転倒してもすぐに起き上がれる環境を整えてください。ひっくり返ったまま起き上がれないと、体力を消耗して弱ってしまいます。
多頭飼いは避ける
カミキリムシは縄張り意識が強く、同じケースに複数入れると喧嘩をしてしまいます。足や触角が欠けてしまう原因になるため、基本的には「1ケースに1匹」の単独飼育が理想的です。
種類別・おすすめの餌リスト
| 種類 | 野生の主な餌 | 飼育下でのおすすめ |
| ゴマダラカミキリ | ミカン・ヤナギの樹皮 | 昆虫ゼリー、リンゴ、ミカンの枝 |
| キボシカミキリ | イチジク・クワの葉 | クワの葉、バナナ、昆虫ゼリー |
| ミヤマカミキリ | クヌギ・コナラの樹液 | 昆虫ゼリー(高糖度)、バナナ |
まとめ:最高の餌を見つけて長生きさせよう
カミキリムシの餌は、野生の状態を再現する「樹皮や葉」に加え、栄養価の高い「昆虫ゼリー」や「果物」を組み合わせるのがベストです。特にリンゴやバナナに対する反応の良さは、一度試してみる価値があります。
カミキリムシは寿命が短いと思われがちですが、適切な食事と快適な環境を整えてあげれば、数ヶ月にわたってその勇姿を楽しむことができます。お気に入りの餌を見つけ、ぜひ愛情を持って観察してみてください。
次回の飼育では、今回紹介した「果物作戦」をぜひ取り入れて、カミキリムシとの生活をより充実させてみてはいかがでしょうか。